人身売買の変遷

困難を抱える外国籍女性

負のサイクルに巻き込まれやすい女性たち

私たちが出会ってきた人身売買の被害に遭った外国籍女性たちの中には、ビザが切れているオーバーステイの状態の人もいて、被害者でありながら日本の中で保護を受けるために非常に不安定な立場に置かれている人もいました。また、日本で知り合った日本人男性と結婚したケースでは、男女の経済的格差をはじめ、女性たちの日本語能力が不十分なことや男性と女性の社会的地位の違い等の要因から、上下関係が生まれ、DVに発展するケースが非常に多くあります。
日本には人身売買やDVから逃げ出した女性たちが駆け込むことができるシェルターがあります。国籍にかかわらず、着の身着のままシェルターへ入所することが可能です。温かい食事が提供され、安全に、安心して暮らすことができます。

しかしシェルターの滞在期間は原則2週間であり、いつまでもいられる場所ではありません。女性たちが日本で暮らしていくためには日本社会で自立しながら生きていかなくてはいけません。中には危険とわかっていながらも、DV夫の元に帰ってしまうケースもあります。
彼女たちにとって"この日本で自立して不確かな将来の中で暮らしていく"よりも、"確かな危険に帰る"ほうが良いと判断するためです。

日本社会で生きていくための”自立”

それほど、困難をかかえて生きる外国籍女性に対して、日本社会が暮らしやすい場所ではないのです。
「こどもの進学」「学校のプリント」「ごみの出し方」「困ったときに人に聞く」日本人にとっては何気ない日常の一部ですが、さまざまな背景をもつ女性たちにとって頼れる人がいない状態では「できなければ孤立するのではないか」という不安にさらされます。

わたしたちてのひらは、女性たちが日本で安全に、安心して暮らし、自立して生活していくための支援を続けています。

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